2024年1月19日、K-1創始者の石井和義館長がアドバイザーとして復帰することが発表されました。
創始者でありながら約20年ぶりにK-1の世界に戻った石井館長ですが、表舞台から降りていたのはなぜだったのでしょうか。
石井館長がK-1の役職を辞任した理由である過去の事件の詳細や、現在の姿を調査します。
石井和義館長 過去のK-1辞任理由は何?
脱税容疑での逮捕
石井館長は、2002年末に脱税容疑で逮捕され、K-1におけるすべての役職を辞任しています。
この事件は、「ケイ・ワン脱税事件」と言われ、当時脱税に関わったとされる5人が逮捕され、また法人ケイ・ワンにも判決が下っています。
「ケイ・ワン脱税事件」の概要
石井和義が経営していたK-1を主催するイベント運営会社「ケイ・ワン」が興行等で得た4年間の法人所得、約9億円を石井の知人だった佐藤猛と共謀し、佐藤が経営する企画会社に外注費を支払ったように見せかける仮装隠蔽行為等を行い、ケイ・ワンの利益を圧縮して法人税3億円を免れた。
隠し所得のうち約4億3千万円を石井が選手への裏ファイトマネーの支払いや高級車の購入、生活費などに流用していた。
簡単に言えば、会社の利益を自分の懐に入れていたということですね。
また、脱税が発覚した後、石井館長は隠ぺい工作を行ってしまい、さらに罪を重ねました。
東京国税局の査察を受け、当時プロボクシング元ヘビー級王者のマイク・タイソン選手の招致計画を利用する隠ぺい工作を思いつき、経費として認められる巨額の違約金を条項に含む虚偽の契約書を作成する。
マイク・タイソン選手の招致に失敗したことでマイク・タイソン側に違約金を支払ったために隠し所得は残っていないという主張をしようとした。
この計画には、総合商社イトマン元常務の伊藤寿永光も協力していた。
しかし、この契約書は1999年に作成されたはずだったが、契約書のケイ・ワンの所在地として2000年9月の移転先の住所で記入されていたことで隠ぺい工作が発覚する。
脱税をマイク・タイソン選手の招致失敗の違約金ということにしようとしましたが、凡ミスですぐに隠ぺい工作がバレてしまったということですね。
住所の記入ミスで発覚するとは、よほど焦って慌てていたことが想像できます。
隠ぺい工作を行ったことでさらに周りを巻き込む形になってしまいました。
判決
脱税と隠ぺいにより、石井館長は法人税法違反や証拠隠滅罪で起訴され懲役1年10カ月の判決が下されました。
この事件に加わった合計5人と法人ケイ・ワンも罰を受けることになります。
名前 | 容疑 | 判決 |
---|---|---|
石井和義 (ケイ・ワン社長) | 法人税法違反・証拠隠滅教唆罪 | 懲役1年10ヶ月 |
伊藤寿永光 (イトマン元常務) | 証拠隠滅罪 | 懲役1年6ヶ月執行猶予3年 |
マイク・タイソン | 証拠隠滅罪 | 懲役10ヶ月執行猶予4年 |
顧問税理士 | 法人税法違反 | 懲役2年執行猶予5年・罰金2400万円 |
佐藤猛 (企画会社社長) | 法人税法違反 | 懲役1年10ヶ月執行猶予4年・罰金1700万円 |
ケイ・ワン(法人) | 法人税法違反 | 罰金7000万円 |
石井和義 K-1アドバイザーとして復帰
30年前にK-1を創立し、2002年末に逮捕され辞任していた石井館長ですが、約20年ぶりにK-1アドバイザーとして復帰することが発表されました。
会見での石井館長はこのように発言していました。
「大したことは出来ないですけど快諾しました。立ち上げたK-1なので、世界のK-1に戻ってほしい。世界のK-1になるために色々アドバイスをしていきたい。私はアドバイザーであり、プロデューサーでもオーナーでもないので、それを実行するにはK-1の方々の力が必要。ぜひ実行していただいて、世界のK-1になれるように頑張ってほしいです」
「昔のK-1のように、ワクワクする時代に戻したい。K-1は、新しいK-1の世界を作ればいい」
とても意欲に溢れたように熱弁をふるっていました!
石井館長の復帰にはSNS上でも期待の声があがっています。
今後のK-1がどのようになるのか、楽しみです!
現在の石井和義はどんな人?
石井館長は、2019年「じっくり聞いタロウ ~スター近況(秘)報告~」に出演し、事件についてこのように話していました。
「僕が悪かったのはそれに対して戦って。(この件のせいで)K-1がなくなると思ったので、うその契約書を勝手に作って、それを出したっていうのがダメなんですよ。いわゆる証拠隠滅教唆っていう。それがやっぱり良くなかったですね。だからそれは刑務所行ってもしょうがない。それは僕の間違いですわ」
引用:ザ・テレビジョン
テレビで事件についてはっきりと発言し、自身の間違いも認めています。
また、2008年に出所したときのことをこのようにも言っていました。
「僕良かったなと思うんですよ。あのままK-1続けてるよりも、新しい自分の生き方に出会って。僕がなんでこうなったのかなって考えてるうちに、タイの仏教に出会ったんですよ。お釈迦様の教え通りお酒もやめて、動物の死体も食べないし、肉とか魚も食べないです。そういう五戒を守って生きてます。お酒も一滴も飲んでないです」
引用:ザ・テレビジョン
考え方や生活が変化したということを明かしていました。
石井館長は、InstagramやXを利用しており自分のことや周囲のこと、K-1について積極的に発信しています。
その投稿からも素朴で健康的な食生活や、仏教の教えを守っていることが垣間見えます。
心が洗われて穏やかに生活しているのだなということが伝わってきます。
以前のギラギラとした雰囲気とは違う、穏やかな空気感が感じられ、K-1においてはどのように活動していくのか注目です。
まとめ
石井和義館長がK-1への復帰を発表し、過去の辞任の理由や事件について、現在の姿を見てきました。
過去の脱税事件については、当時大きなニュースとなりましたが、20年がたち現在の石井館長はとても質素で穏やかな生活をしているようです。
K-1においてはどのように活動していくのか注目したいですね。
今後、K-1がより盛り上がりを見せることに期待したいです!